下ノ廊下 その3 [山歩き]
阿曾原温泉小屋の土台部分。
コンクリートの土台の上に
プレハブの小屋です。
豪雪地帯なので冬期には小屋をバラしてしまうとのこと。
宿泊手続きをすませ、
サア温泉と思ったら、
2時半から3時半までは女性タイムとのこと、
1時間交代で、男性タイムは3時半から、
ちょうど丸々1時間待つことに、
ちなみに、PM8時からはフリータイムだそうです。
荷物の整理をし、部屋着に着替え、
左膝の状態を確認。
外見は異常なし、
平坦なトコや、登りは痛まないが、
降りはダメ、
わずかな降りでも、するどい痛みが走ります。
嗚呼、明日もコースタイムで5時間ほど歩かねばならんのだが・・・
しかし、この時はまだ楽観的でした。
温泉の効果と、自身の治癒力を信じていました。
明日起きたら良くなっているはずさっ!!
とりあえず、ナイスミドル氏とビールで乾杯。
明日の予定などを聞いていると、
どうやらワタクシの帰りのルートと同じと判明、
予定時間までも一緒。
んっ、
どうやらこの辺で
ワタクシの帰りのルートについてご説明せねばなりますまい。
オホンッ、
まず、愛機は扇沢においてきました。
しかし、下ノ廊下の終点は欅平。
欅平からは、トロッコ列車に乗って宇奈月に出ることになります。
さてここからどうするのか・・・
『回送サービス』というのを使えば、
愛機を宇奈月まで持ってきて貰う事が出来るんです。
が、しかぁ~しっ!!
高すぎるっ!
べり~えくすぺんしぶ、なのです。
¥22.000だと・・・
おまけに高速代、ガソリン代は別だし、
つーか、見ず知らずのオヤジ(かどうか知らんが)に
我が愛機を乗られるなどというのが気に食わ~ん!!
なので回送サービスは却下!!
なら、どーすんだ、オメー。
フッ、
いたって簡単なことですよ、
そう、
電車を乗り継いで戻ればいいだけの話ですよぉぉお!!
んっ、
いったいどのくらい時間かかるかわかってんのか、ですってぇ~?
ぬかりはありませんて、
宇奈月温泉駅から信濃大町まで、
約5時間ほど、
信濃大町からはバスで扇沢まで40分ほど、
なんだかんだで約6時間ばかりです~
あっ、欅平からのトロッコ列車も入れると、
8時間弱になりますので、
山歩きとはまったく別の小旅行となる訳です~
しかも、欅平始発のトロッコ列車に乗れれば、
宇奈月で2時間ほど自由時間がとれますので、
温泉に入った上で、あんなトコを見ることが出来る・・・
どうです!?
完璧な計画でしょう!?
たまにはゆっくり電車の旅、
などというのも風流なものですよぉぉお!!
・・・・
・・・・
やがて、3時半、温泉に向かいます。
小屋から10分ほど降ったところに、
完全露天のお風呂があります。
脱衣所などというしゃれたものはないので、
その辺のスノコの上に服を脱ぎ散らかし、
お風呂にIN!!
・・・
嗚呼、なんて気持ちいいんでしょう~
石鹸などはありませんし、使えませんが、十分です。
これで汗くさい体ともおさらばさっ!!
帰りも10分かけて登らねばなりませんが、
夏の暑さは終わっているのでちょうどいい感じ。
ちなみに照明などはありませんので、
夕方からはヘッドランプを点けての入浴となります。
しかし、平日だというのにぞくぞくと宿泊者が到着します。
本日の宿泊予定は56人だそうです。
1部屋に定員12人、4部屋あるので定員48人、
それ以上は、食堂に寝てもらうとのこと、
それでも布団1枚に1人ですからゆとりがあるほうでしょう。
紅葉のピーク時には布団1枚に2人とか3人とかもあるそうです。
ちなみにワタクシは食堂組でした。^^;
2日前に予約しましたが、その時点で食堂に寝てもらうよ~、と言われました。
部屋がいっぱいになった後にあぶれた人が食堂ですから、
当日の飛び込みが多くなければ、
かえって食堂のほうがゆったりできそうです。
そして、PM6時、お待ちかねの夕食、
名物のカレーです。
にんにくがたっぷり。
かなり前から仕込みをしていて、
いいにおいがただよっていたんですよねぇ~
お米もこだわりのコシヒカリ、
40分間何回でもおかわりできます。
ワタクシも当然おかわり(^^)
もう少し若かったら、もう一杯はいけたかな。
大満足でした。
2回戦の食事が終わったら、
食堂に布団がひかれます。
12畳ほどの部屋に、7人!!
狙い通り、かなりゆとりがありました~(^^)
膝の回復を祈って、就寝。。。
・・・・
・・・・
翌、AM3時半起床。
欅平までのコースタイムは約5時間、
始発のトロッコ列車はAM9時16分ですので、
AM4時には出発したいところ。
さて、膝は・・・
痛ぅっ!
昨日と変わりません・・・
ヤバイ・・・
無事に帰れるのか、オレ・・・
うだうだ考えてもラチが明かないので、
準備を整え、小屋でもらった弁当を食べる。
膝意外は元気そのもの、
ならば行くしかあるまいて。
救いは、
ここが水平歩道だということ、
降りじゃなければ、それなりに歩けます。
そうこうしていると、ナイスミドル氏もやってきて、
一緒に出発することに。
AM4時、阿曾原温泉小屋出発。
まだ、日の出前なので、ヘッドランプを装着。
小屋からの降りで早くも顔が歪む・・・
歩いてるうちに負担の少ない歩き方がわかってきたので、
なんとかバランスを崩さずに降れるように、
AM5時25分、
折尾の滝です。
砂防堤の中にトンネルがあります。
AM6時25分、
欅平の駅が見えてきました、
が、まだまだ、
山肌沿いにぐるっと回り込んでいくので、
距離があります。
大太鼓からは、
奥鐘山西壁の展望がすばらしい。
AM6時43分、
志合谷トンネルです。
150mのトンネルで中がカーブしているので、
光が入らず、ヘッドランプがなければ通行困難です。
ヘッドランプの光に反射して壁がキラキラ幻想的に光っていました、
さわってみると、
冷たいっ!
霜が反射して光っているようでした。
出口です。
5分で通過できますが、
闇の中なので、15分ぐらい歩いたような感覚でした。
水平歩道は、旧日電歩道に比べると、
比較的歩きやすいが、
それだけに、油断して事故が起きやすい、
と山小屋関係者の方が言ってました。
そしてAM8時、やっと水平歩道の終点にたどりつきました~
ちなみに、ナイスミドル氏ははるか先、
欅平の駅に到着しているころでしょう。
ああ、痛む膝をだましてよくここまで歩きとおした、
ほっとして力が抜けそうになります。
しかし、
決して楽観できないのをワタクシは知っていました。
ここから欅平まで、高低差約400mを一気に降らねばならんのです。
コースタイム20分、
ここがワタクシにとって、
今回の山行1番の試練となりました。
鬼のような形相をし、
額にはあぶら汗、
痛みがはしる度、罵り、雄たけびをあげる。
気の弱い人間がこの時のワタクシを目撃したならば、
ただちに卒倒し、
2日間は高熱にうなされるハメになったことでしょう。(ウソ)
・・・・
・・・・
そして、
AM9時、欅平駅着。
コースタイム20分の所を、1時間かけてやっと降りてきました。
長く苦しい降りでしたが、
なんとか予定通り、始発のトロッコ列車にも乗れそうです。
「やった~!!下ノ廊下、歩き通したぞぉぉお!!」
ワタクシの歓喜の雄叫びが、欅平の駅舎に響き渡るのでした。(ウソ)
次回列車の旅編へつづく。
2010-10-15 01:05
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コメント(9)
お疲れ様でした!!
知り合いが丁度その頃に行っていたようです
回送は予約すると5000円引きとか…
それでも高いですよね…
by ひろちゃん (2010-10-15 08:24)
膝が痛いのに「ナイスミドル」と一緒!?
と思ったら、別行動だったようですね。
良かった良かった(笑)
by Kenbo (2010-10-15 17:11)
膝痛大変でしたね。
本当は温泉で温めるより
川でクーリングした方が良かったかもしれませんね。
でも、無事に踏破して良かったです。
このルートは温泉もあるのが魅力ですよね。
by judyxxx (2010-10-15 17:38)
膝大丈夫ですかぁ??
でもがんばって制覇してすごいです。。(^-^)
私には水平歩道なんて歩けそうもありません。。
写真見ただけで縮みます。。('∇';)
by キャラハン (2010-10-16 06:01)
>銀さん
nice!どうもありがとうございました。
by にょご (2010-10-16 22:40)
>ひろちゃん
おお、お知り合いの方、行かれたんですねぇ~
予約で¥5000引き・・・ずいぶん引くんですねぇ・・・
でも、回送ってやっぱり好きになれないな~
by にょご (2010-10-16 22:48)
>Kenboさん
たまたま、一緒に歩くことはあっても、
基本は単独ですので、行動を共にしているわけではありません~
でも、なんとなく、妙な連帯感みたいなのは生まれたかもしれません。
by にょご (2010-10-16 22:56)
>judyxxxさん
そうかぁ~冷やした方がよかったんですねぇ~
温泉は万能だという思いが強くて・・・^^;
でも、ホント無事に最後まで歩けて良かったです。
山行の途中で温泉に入れるのはまさに極楽でしたぁ~
by にょご (2010-10-16 23:02)
>キャラハンさん
膝、今はなんともありません・・・たぶん・・・
最後は気合で乗り切りました~^^;
私もけっこう縮みました~(>_<)
by にょご (2010-10-16 23:08)