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期待のジャンダルム(奥穂から西穂) [山歩き]

昨日はなかなか寝付けなかった、

それでも、PM9時以降の記憶が無いから、

現在AM4時、都合7時間近く睡眠が取れたことになる。

充分休息できた。

やはり、3日目ともなると体中痛むが、

動けないという訳じゃない。

部屋着を脱いで、サポートタイツをはき、柔流を着ると、

スイッチが切り替わるのがわかる。


準備を整え、玄関でブーツとゲイターを装着。

よし、いける。

まだ暗い玄関の土間の自炊スペースで、

昨日もらった弁当を、ヘッドライトの明かりで食べる。

暗闇で食べると味も半減だが、ぜいたくは言わずペロリと平らげてしまう。



外に出てみると、太陽が地平を火の海に変えはじめている。

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AM5時、山荘出発。奥穂高岳に登り始める。

しょっぱなから意外と険しい。

少し登って下を見ると、

目覚め始めた穂高岳山荘の明かりが、

なんだか懐かしく見える。

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フト目を上げると・・・

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槍が・・・

おお、24時間前にはあそこにいたんだよなぁ~




夜明けはすみやかに訪れる。

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ジャンダルムが明るく輝きだしたかと思ったら、

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ご来光です。

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わかりますでしょうか、

奥穂高岳の影が、雲海に映っています。

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AM5時30分、奥穂高岳、山頂(3190m)。

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朝霧の中の上高地、

向こうからはどんな風に見えているんでしょうか。

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雲海の上に、南アルプスと富士山。

なにしろ日本で3番目に高いところ、360°の展望です。



さて、ここまで30分歩いてきて、

体調は・・・

申し分なさそうです。

「サプリメントで疲れを持ち越すな作戦」の効果でしょうか、

まぁ、確かに少しは疲れはあるが、

かえってそのほうが変に無理しなくていいかも。


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これから向かうジャンダルムです。



えっ、?!

なんですか~?

ふむふむ・・・

おめー、前からジャン・・なんとかってずっと言ってるケド、

その、ジャン・・なんとかって、いったいなんのこっちゃぁぁあ~?!

ですってぇ~?



・・・

ふっ、ふふふ。

その質問を待っていたんですよぉぉお~!


前の写真のドーム状の岩稜が『ジャンダルム』

「ジャンヌダルク」や、「ジャン・クロード・バンダム」ではありません~


『ジャンダルム』というのはフランス語で憲兵を意味するとのこと。

このドーム状の岩稜は、

あたかも穂高を護衛するかのようにそびえているので、

穂高の前衛峰という意味でこの『ジャンダルム』という名が付けられたそうです。


なんでフランス語なのかは知りませんが・・・

まぁ、なんとなくかっこイイからいいじゃないですか~


そのかっこイイ名前と、独特な佇まいから、

憧れる登山者も多いんですが、

一般登山道とはいえ、最難関と呼ばれるルート上にあるため、

『ジャンダルム』に登るのはそれなりの覚悟が必要なんです。




そんな覚悟を胸に、AM5時30分

いよいよ、最難関コースへ、

先行は・・・

ご来光を待って歩き始めたとおぼしき2人組のみか、

300mくらい先行しています。

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まずは『馬の背』、左右がスパッと切れ落ちたまさにナイフリッジです。

落ち着いて通過、

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『ロバの耳』です。ここは岩肌にはりついてトラバース。

奥穂から西穂へ抜けるコースは、

基本、降りです。

谷底に降りていくんじゃないかっ、とばかりの急斜面。

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振り向くとこんな感じ・・・

いったいどこをどう降りたんだか分らなくなりそう・・・

『ロバの耳』をすぎると、

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ついに『ジャンダルム』が全容を、

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てっぺんに先行の2人の姿が見えます。

直登出来ない事も無いが、危険なのでまわり込んで西穂側から登ります。

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そして『ジャンダルム』頂上、AM6時22分。

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眺めは360度!!

しばし景色を堪能し、すぐに先に進みます。

『コブ尾根の頭』はザックをおいて一休みできる。

が、そのまま通過。

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『コブ尾根の頭』から、また降り、

西穂から焼岳まで一望のもとに。



ひとしきり降ると、

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『畳岩尾根の頭』です。

この辺りからペンキマークが見当たらなくなり、ルートが不明瞭に、

たぶんどっかに巻き道があると思うが・・・

せっかくなので直登し尾根の頭を越えてしまう。

不明瞭箇所が続くが、

天気がよく、先が見渡せるので、迷わず歩けます。

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降りの途中、前方に天狗の頭と間ノ岳が、

さらに降ると、

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『天狗のコル』です。AM7時20分着。

このコース唯一のエスケープルートがありますが、

むろん先に進みます。

『天狗の頭』への登り、

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いきなりほぼ垂直の登りです、

遠くで見えていた時は楽な登りに見えたが、

実際はけっこう険しい。

ここで初めて西穂側からの登山者とすれちがう。

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AM7時37分、『天狗の頭』です。

こんども降り、

『逆層スラブ』です。

薄い岩の層が滑り台のように何層も重なってます。

岩は乾いていて、ブーツのフリクションが効くので、

慎重に降りれば、難しくはないと思います。

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一旦降りて、振り返って撮った『逆層スラブ』。

降りたところが『間天のコル』

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ここから、『間ノ岳』への登りです。

浮石に気を付け、落石おこさぬよう、慎重に進みます。


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『間ノ岳』山頂、AM8時10分着。

ちらほらとすれ違う人もいます。

間ノ岳降りはまさに浮石だらけ、

足を取られたら、谷底まで落ちそうなところです。

ほどなく『赤石岳』

ここまでくれば西穂高岳も近い、

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右側の人がいるピークが西穂高岳です。

振り返ると、

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槍ヶ岳から今までのルートが一望のもとに、

ずいぶん歩いてきたんだなぁ~

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本コース最後のピーク、P-1に着くと、

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西穂高岳はすぐそこです。

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そして、AM9時10分西穂高岳到着。



奥穂高岳から、3時間40分、長いような短いような、

とても濃厚な時間でした。



コースの印象は、

やはり最難関コースだけあって、

今までの登山道と違い、

険しく油断できない箇所がめじろ押しですねぇ~

高度感も抜群です~

でも、ザックを置いて休憩できそうなとこが、

けっこうあったのは意外でした。


鎖場はけっこうありましたが、

今回、使わないで通過することが出来ました。

かえって鎖に頼ると危なそうな箇所も・・・




最難関とはいえ、一般登山道なので、

三点確保が出来、高所で体が固まることが無く、

浮石、落石に注意して、

慎重に歩ける自信があれば、

このコースにチャレンジしてもいいかもしれません(自己責任でね~)


もちろん悪天時には行かない方がいいでしょう。






な~んて生意気な事書いちゃいましたが、

まだ終わっちゃいませんよぉぉお!!

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眼下のロープウェイの駅まで降りなければ帰れませ~ん。

到着の感動もそこそこに歩き始めます。

ここ、西穂高岳から、西穂独標までもなかなかの岩場なので気を抜けません。




しかし、今まで歩いてきたコースのレベルとは明らかに違う、

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AM9時44分、ピラミッドピーク、

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AM10時、西穂独標、

鼻歌まじりです。

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あとは岩場はありませんが、西穂山荘までの降り、

う~ん、膝に来そう・・・

すかさずストックを装備し、「ストックが鍵、膝を笑わせるな作戦」を発動。

すると、膝の負担も無くなりスピードUP!!

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AM10時40分、西穂山荘着。

ここで初めてまったりモード、

お茶で1人乾杯し、

西穂ラーメンに舌鼓。

栄養補給したらホントのラストスパート、

AM11時10分、西穂山荘出発、ロープウェイの駅へ、

ストックを駆使し、膝の負担を軽減しつつ、飛ぶように降りてゆく。

「あんよふかふかクッション作戦」の効果でしょう、足の指はまったく痛くなりません。

AM11時45分、ロープウェイ駅着、

ゆっくり装備を解除し、行動終了。





平日だというのに観光客がけっこう多い、

本格的な山のいでたちをしているのは私ぐらい、

なんだか別の世界からやって来たみたいだ。



PM12時15分のロープウェイに乗り込む。

けっこう混んでいる、

修学旅行だか、サークルだかの旅行で来たらしい女の子が、

「きゃ~ゆれるぅ~」だの「ちょ~キレ~」などと騒いでいる。


ああ、君達に今日のあの景色を見せてあげたいよ。



DSC00271.JPG

ロープウェイの窓から私が歩いてきた稜線が見える。

最高の山行だったな。

改めて思った。
nice!(8)  コメント(15) 

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コメント 15

銀四郎

す、スゴイ!
マジ同世代とは思えないです。。。
by 銀四郎 (2010-09-21 05:28) 

キャラハン

山の上から見るご来光はやっぱり格別ですね~(^-^*)

by キャラハン (2010-09-21 05:32) 

judyxxx

素晴らしい画像に感動しながらみました!
単独行での槍穂縦走は本当に凄いです。
しっかし時間を見ると相変わらずの健脚…
冗談抜きで着いていけませんよ。
さて次は雪山シーズンですね!
また何かすごい企画があると思いますので楽しみにしてます^^
by judyxxx (2010-09-21 17:03) 

にょご

>銀さん
けっこう年配の方にも会いますよ~
私なんかまだまだです~
by にょご (2010-09-21 23:09) 

にょご

>キャラハンさん
夜が明けるってだけなのに、すごい迫力です。
都会では見れません。
by にょご (2010-09-21 23:13) 

にょご

>judyxxxさん
槍から奥穂まででしたら、単独の方も割りといましたよ~
こんどは逆コース行ってみたいですねぇ~
雪山?!
いえいえ、まだ秋の紅葉がありますよぉ~
その前に下ノ廊下行こうかと目論んでおります~
by にょご (2010-09-21 23:19) 

キトリ

素晴らしいですねえ~
ご無沙汰してしている間にこんな感動を味わって来られたなんて。

日常に潰されてすっかりジジババしている(孫もいないのに)わが家です。
にょごさんの記事を読ませていただいて又元気が出てきました。

時が来たら足慣らしからです。
by キトリ (2010-09-22 10:03) 

拳客

すごいですね~景色もスバラシイ。
by 拳客 (2010-09-22 19:23) 

ひろちゃん

お疲れ様でした!!
マルヤマって奥穂高が見えるところ??
登るらしいのですが…キツイですかね??
by ひろちゃん (2010-09-22 21:44) 

にょご

>Kenboさん
nice!どうもありがとうございました。
by にょご (2010-09-23 00:53) 

にょご

>キトリさん
いやぁ~山は縦走がいいですねぇ~
すっかりハマりましたぁ~

紅葉の時期が近づいてますよ~
by にょご (2010-09-23 01:03) 

にょご

>拳客さん
やはり山の上からの景色はひと味違います~
拳客さんもトレーニングにどうですかぁ~
by にょご (2010-09-23 01:06) 

にょご

>ひろちゃん
丸山、西穂の途中ですかねぇ~
天気がよければ展望がいいですよ~
ロープウェイからならすぐですよ、
上高地からはけっこう歩くみたい・・・
by にょご (2010-09-23 01:13) 

にょご

>ぽんたさん
nice!どうもありがとうございました。
by にょご (2010-10-02 22:56) 

にょご

>SORIさん
nice!どうもありがとうございました。
by にょご (2010-10-04 00:55) 

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